香川県とJR四国は29日、
高松駅の愛称名を当初発表していた「さぬきうどん駅」から
「さぬき高松うどん駅」に変更したことを明らかにした。
26日の発表後、香川県のどこの駅なのか分かりにくいとの声が寄せられたことが理由という。

県とJR四国は、28日に愛称変更を決定。
高松駅で29日に披露した記念撮影用看板や駅名標には、
「さぬき」と「うどん」の間に、
はんこで押したようなデザインで小さく「高松」が加えられていた。

 

浜田恵造知事は
「どこの駅か分からないなど、いろいろな意見をいただいた。
分かりやすさのため高松を入れたほうがいいのではと思った」と話した。

 

一方、当初の愛称について、高松市の大西秀人市長が28日の記者会見で
「ちょっと違和感を覚えた。高松にはうどん以外にもさまざまな特色があるので、
さぬきうどん駅が愛称としてふさわしいか疑問」と述べ、
別の観点から批判的な考えを示していた。

 

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120329/trd12032918280010-n1.htm

うどんでまちおこし、私はかなり面白く、
そして羨ましいと思って見ている。

 

実は私は両親が香川出身。
私も毎年のように訪問し、そのたびにうどんを食べていた。

 

都会っ子(香川から見たら…)である私も、
子供の頃から香川=うどん、と認識していたし、
地元の人もそう認識していた。
しかし、あの頃はそれが観光資源になるとは、
おそらく誰も思っていなかった。

 

いつの間にか全国ネットの夕方のニュースで「変なうどん屋」が紹介され、
(ただし、地元の人はそれが特別変だとは思っていなかったと思われる)
さぬきうどんの本が出され、
あれよあれよという間にうどん目当ての県外ナンバーの車が列を作るようになった。
地元の人が食べられない!と、叔父は少し怒っていた。

 

私がよく連れていってもらっていたうどん屋も、
(もともとお客さんの多い店だったが)ものすごい行列ができるようになり、
少しハードルの高い店になってしまっていた。
そして、今では残念なことにお店を閉じてしまったらしい。

 

その土地では当たり前だと思っていたもの。
実はそれが当たり前ではないと気づいた時に、
力のあるコンテンツになった。

 

多分、どこの街でも同じだ。
「当たり前だと思っていたけど、実は特別だった」
これをうまく見つけること、これがまちおこしの第一歩だと思う。

 

高松市長の「高松にはうどん以外にもさまざまな特色がある」
というのもわからなくはない。
(実際にお魚は美味しいし、果物は美味しいし、しょうゆ豆も好き……ん?)
だが、「香川県=うどん」というのは今では誰もが思い浮かべられるもの。
この組み合わせが瞬時に出てくるというのはとにかく強い。
うどんでがっちり心を掴み、
後はじっくりと質で勝負して行けば、絶対に他のものも
知名度が上がっていくだろう。

 

余談ではあるが、さぬきうどんの本場は実は高松ではなく、
もう少し西に行った中讃地区である(はずだ)。
まだ現地で食べたことのない方がいらっしゃったら、
是非一度足を運んでいただきたいと思う。